2011年12月25日日曜日

『ガリバー旅行記』……この世の中、あんまり潔癖すぎると気が狂ってしまう

最近むかし読んだ子供本を読むのがクセになった。『宝島』に続いて今日はスウィフトの『ガリバー旅行記』。「スウィフトの人間社会に対する呪詛と悪態の数々は痛快至極。全く同感」とかなんて思って読み終わって解説を読むと、あらら、知らなかったけどスウィフトはこれを書いてからしばらくして精神疾患で死んでしまった由。ご用心ご用心。この世の中では、あまり潔癖すぎると気が狂ってしまうのだ。清濁併せ呑むというこころが必要だね。




でも、面白かった。思い込みの強い科学者企画集団がいろんなプロジェクトをはじめ、やっている人たちは大まじめなんだけれど、いずれもカネばっかり使うだけで社会をめちゃくちゃにして、おまけに本人達は失敗に一向に気がついていないというくだりも、抱腹絶倒。

感心したこと。支配階級(宮廷、貴族、司法、軍人などなど)にとってこれだけきつい風刺作品を平気で出版させた18世紀のイギリス社会というのは、偉かったと思う。日本の江戸時代ですよ。

2011年12月22日木曜日

ルンバは人々に今世紀最大の恩恵をもたらすか?

大げさなことを言うようだが、ルンバ掃除機には感服している。いままでの白物家電のイメージを革命的に変えるものではないか!

ルンバについて | iRobot ロボット掃除機ルンバ 公式サイト
スィッチをぽんと入れるだけで家の中の掃除を一人でしてくれる。いままでの家電製品はあくまでも「人間が自分で」仕事をするという前提で、その仕事を助けてくれるものに過ぎなかったが、ルンバは「自分で」やってくれるのである。いわば召使いを傭っているようなもの。人間が労働をすることが前提の従来家電製品とは質的に違う。

この種の製品のイメージは確か50年前からあった(アメリカの未来家庭のイメージでルンバと全く同じ機械が映像化されていたのを昔見たことがある)。でもこういう「便利な」製品を使うことにはある種の抵抗があったためか(チャップリンの「モダンタイムズ」あたりが嚆矢か)製品化が遅れた。

考えてみれば、一昔前の中産階級の家庭では使用人が居ることが当然だった。世の中が進歩してそういう階級社会は消滅したことはいいことであるが、昔は便利であったことも事実。以来、科学技術の進歩で新幹線が出来たり、パソコンモバイルが出来たり、いろいろ便利にはなったけれど、普通の人の仕事の量は減らなかったね。日帰り出張が増えたり、外出先でもデスクワークをしなければならなくなったりして、仕事が逆にきつくなったのが実情だろう。

郵便物をとってくるロボットとか、捜し物をしてくれるロボットとか、「仕事やっといて」と任せきりに出来るロボットとか、そんなのが欲しいな。ロボットが仕事をしている間に、人間が遊ぶ。これが理想。こういうロボット作りのノウハウは絶対に資本家には教えないこと。自分が職を失うことになる。

2011年12月19日月曜日

『大停滞』(T.コーエン)……禿しく同感!

1時間もあれば読める本。言っていることはきわめてシンプル。時代は変わった、世界はもう高度成長は望めない、みんなビンボーにならざるを得ない、これを認めて、新しい現実に何とか適応して行こうと言うこと。おいらが前から考えていたことだが、年寄り特有の「ひが目」でおいらも歳をとったと思っていたけど、一流の経済学者も同じことを言っているので安心した。


こういう状況の中では、従来右派の勢力が改革を訴える急進派となり、左派のリベラル派が現状維持を主張する保守勢力となるということも、まさに同感。日本でも10年前から顕著に見えだした兆候。でも、イノベーションの停滞が不況の根本原因である以上、どちらも解決手段にはならないとコーエン教授は言う。これも同感。

各自、質実剛健をモットーに今後の50年(多分もっと長い期間になるかもしれない)を乗り切ろう。

2011年12月18日日曜日

Connect to Google+ | Blogger Buzz

Connect to Google+ | Blogger Buzz: Back in October we made it possible for Blogger in Draft users to use their Google+ profile on their blog. This option is now available to all Blogger users, and as a result, we're starting to roll out the first of many Google+ features.

Starting today, if you have linked your blog to your Google+ account you will be presented with a prefilled Google+ share box immediately after publishing a post. The share box will contain a snippet of your post that you can share with your circles on Google+ .


2011年12月17日土曜日

「世界中萬事、以俗眼観、紛紛各異、以道眼観、種種是常」(菜根譚後集八七)

今日は精神修養。『菜根譚』に曰く:
世界中の万事は、俗眼を以て観れば、紛々各々異なるも、道眼を以て観れば、種々是れ常なり。何ぞ分別を煩わさん、何ぞ取捨を用いん。
そうなのだ。弱者を装ったイナカ利権集団のごり押しエゴイズムも、グローバルなウォール街の貪欲さも、すべてこれ人間の本性。いちいち目くじらを立てていてもしょうがない(とやっとわかった)。

あいつらには、近づかないのが一番だね。


2011年12月16日金曜日

内田樹『呪いの時代』

今日はお勉強。年寄りでもお勉強はするのだ:

 

エッセイ集だから、軽いテーマで大笑いさせてくれるかと思うと、突然とても重いお話になり、考え込ませてくれる。自らを振り返ってみて、反省するところ多々。これでおいらも少しは利口になるかな。

2011年12月12日月曜日

「拙きを知らば、何ぞ、やがて退かざる」(徒然草 第134段)

中学の時以来の『徒然草』。はじめて全部通して読んだ。なかなかいいですよ。この世の中、がさがさ張り切る「信念の人」が多すぎ。カッコワルイばかりかみんなの迷惑。省事、省事。

2011年12月11日日曜日

池田信夫 blog : 消費税と百姓一揆 - ライブドアブログ

おもしろ。税金は年貢みたいなもんか:
池田信夫 blog : 消費税と百姓一揆 - ライブドアブログ: 一向宗が挫折した日本では、武装解除された百姓が武士に秩序維持をゆだね、主従関係が固定された。ここでは年貢は、反対給付のない負担であり、少ないに越したことはない。このため定期的に百姓一揆が起こるが、それは一向一揆のような権力闘争ではなく、年貢をまけてもらうための「春闘」のような儀式として合法化された。

考えてみれば、既得権集団はいざ知らず、普通の都市住民にとっては納税してもあんまり反対給付はないわな。